<カナダのウィスラーを滑る>

平成21年5月3日  
三原 紀男(34年卒 

 
 大学卒業後の初任地は通算で24年半住むことになった北海道の室蘭でした。
 せっかくの北海道勤務だからとスキーを始め、仲間に全日本スキー連盟の指導員が数人いたこともあり冬になると職場の上司・先輩・同僚と一緒にスキーに熱中したものでした。

 メンバーの大半は年齢は私より上で、現在は室蘭を離れて内地住まいですが、「頌蹄会」(蹄は羊蹄山より)と言う同好会を結成し、年に一度は北海道のニセコかルスツリゾートに集い、室蘭在住のメンバーと合流して旧交を暖めながら滑ることにしています。

 又、時々海外遠征も行っていますが、近年では一昨年は6名でスイスのツェルマット、今年は4名でカナダのウィスラーで滑ってきました。

 来年の冬季オリンピックはカナダのバンクーバーで開催されますがウィスラーはスキー競技の会場となるためオリンピックに向けての準備が着々と進んでいました。

 ウィスラーリゾートはウィスラー山とブラッコム山の二つのスキー場からなり、二つの山はオリンピックめがけて昨年暮れに完成した「ピーク to ピーク」ゴンドラで結ばれ、二つのスキー場を行き来して楽しめます。

 因みにゴンドラは全長4.4Km、地上から最深部で436m、定員28名、所要時間11分です。

 ウィスラー山頂展望台の標高は2.182mとあまり高くはありませんが、緯度のせいでしょうか初日の朝は零下22°Cを体験しました。 今回の遠征メンバー4人は最高齢者が85歳、平均年齢73歳という構成で6日間の滑走を楽しみました。


ブラッコムの4人(平均年齢73歳)

 掲載した写真中のイヌクシュクとはカナダ極北に住んでいる先住民族・イヌイットの人達が石や岩を人間が両腕を伸ばした形のように積み重ねたオブジェで道しるべ等に使われていたそうです。


ウィスラー山頂のイヌクシュク


ウィスラー山頂付近(後方は黒い牙)


昼食をとったレストランのテラスより(緑色はガイド)

 さて「事実は小説より奇なり」と言いますがそれを地で行くような経験をしましたのでご紹介したいと思います。

 我々と同じツアーに一人で参加しているご婦人と一緒になり二日間、同じグループで滑りましたがスキーの腕はなかなかのもので、お互いに同じ年で関西に縁があることが分かり話も弾みました。帰国後彼女からの手紙で、私の写っている写真をお兄さんに見せたところ私を覚えていると言われたそうです。

 すぐには思い出せないまま学生時代の旧い記録を繰ってみたら、同じ同好会に所属していた2年先輩であることを思い出しました。50年近く音信不通であったにも関わらず今回のようなめぐり合わせになったことに心底驚いています。

 スキーは楽しで、気力と体力の続く限り85歳の大先輩を見習って頑張りたいと思っています。