平成24年度 東京双松会総会・懇親会報告

平成24年10月5日 

 去る9月30日(日)午後、アルカディア市ヶ谷(私学会館)において第57回東京双松会総会が開催されたのでその模様を以下に報告します。

 当日は台風18号の影響が心配されましたが、幸い関東地域直撃を免れ、上は昭和17年卒、下は平成24年在学の100名以上の参加者があり、加えて松江北高々長先生や双松会本部からのご来賓をお迎えし、例年に増して盛会となりました。

   司会役の常松治郎さん(h5年卒)山田将巳さん(h6年卒)
泉宏佳事務局長(s38年卒)開会の挨拶

 泉事務局長の開会の挨拶を継いで、芦田昭充東京双松会々長が登壇され、松江北高出身者としての誇りを以下の通り述べられました。


芦田昭充会長(s37年卒)挨拶

 週間雑誌エコノミストでは日本の「名門高校の校風と人脈」と題してシリーズで名門高校を採りあげ、紹介しているが、9月18日付の同誌に我が松江北高校が11番目に採りあげられた。いずれ、我が北高が登場するものと期待していたが、予想以上に早く登場し、うれしく思う。同誌は政治、経済、文化の分野で活躍した(いる)人物を紹介することにより、有為な人材を産み出す土壌を紹介している。まず、政治の面では若槻礼次郎、竹下登の2名の首相を輩出、首相を3人輩出している学習院・現高等科は別格として首相を2人だしている高校は他に、現山口県立高校、現高崎県立高校、私立麻布高校の3校しかない。経済界では王子製紙の経営や日本商工会議所の会頭を務めた足立正、外務事務次官・中ソ大使を務め、退官後はホテル・ニューオータニのトップを務めた門脇秀光。最近では商船三井会長の不肖私、芦田昭光、ソニーフイナンシャルホールディングス社長の井原勝美、船舶設計会社の社長で船舶技術の開発に貢献したとしてアメリカのスペリー賞を受賞した山口琢磨、その他文化・スポーツ界で功績をあげた(いる)我が北高出身者が数多く紹介されている。私はこのように我が北高から数多くの有為な人材が輩出していることを誇りに思うとともに、明治以来の校訓「質実剛健」の精神が今後も引き継がれ、このところ元気がない日本をもう一度盛り返す人材が生まれ、育ってくれることを願っている。
 次いで河原一朗松江北高校長先生が登壇され、以下のごとく挨拶されました。
 

河原一朗(s47年卒)北高校長先生ご挨拶
 本年4月に就任した。本校卒業生(s47年卒・第23期生)の5人目の校長として就任したことを誇りに思うと共に、重責を感じている。生徒達は我が校の創建以来の校訓「質実剛健」、「文武両道」の精神を基に勉学はもちろんのこと、部活動、生徒会活動、ボランテイア活動、地域交流活動などにも意欲的に励んでいる。その結果、大学進学実績で優秀な実績を収めるとともに、島根県高校総合体育大会でも常に高成績をあげ、文化面でも数々の全国大会に出場して、活躍している。特に本年3月に行われた全国選抜大会で弓道部女子が団体優勝という快挙を遂げている。また、スペインのバルセロナで行われた陸上の世界ジュニア大会では我が校の生徒が男子400Mリレーにおいて、日本チームの4走で出場し、アメリカ、ジャマイカに次いで3位になった。また、文化面では女子生徒が全国総文祭小倉百人一首かるたの読手部門で最優秀読手に選ばれた。私ども職員一同は今後とも「質実剛健」の校則を受け継ぎ、高い知性と豊かな心情、強い意志を培い、心身ともに健康な人格を形成することができるよう、心と力をあわせて伝統ある北高教育に邁進して参りたいと思うので、本校への一層のご理解とご協力をお願いしたい。

 続いて庄司肇双松会々長が登壇され、以下のごとく挨拶されました。

庄司肇(s35年卒)双松会々長ご挨拶

 昨年、松江北高創立135年記念総会には当東京双松会から泉事務局長をはじめ、200名以上のご参加を得て盛大に開催されたことをうれしく思う。また、芦田会長が触れられたごとく、最近の週刊エコノミストに北高が採りあげられたことを誇りに思う。2年前に植え替えた当高のシンボルであった2本松は冬の寒さが影響したのか完全に枯れ朽ちててしまった。今後の復活策について検討中である。毎年、会員に配布している会報は予算不足で苦戦している。会員諸氏からの寄付を募ることになるので、よろしくご協力願いたい。
 
 ご来賓の挨拶が終わったところで、泉宏佳事務局長の活動報告、前島紀夫会計担当(s38年卒・14期)の会計報告、島村武宣監事(s38年卒・14期)の報告があり満場一致で承認された。
  
 一連の挨拶が終わったところで、恒例の高校時代の「部活動」の報告に移りました。本年の報告は「演劇部」、登壇されたのは昭和38年卒・12期生の青砥洋さん、児童劇団「大きな夢」の代表者として、全国的にご活躍されていることは、みなさん既にご存じのところです。

 青砥さんはNHK放送劇団〜劇団「昴」を経て、劇団「四季」へ移られ、「四季」でのミュージカル体験を生かして平成5年、児童劇団「大きな夢」を結成、現在、全国24ヶ所に500人の団員を擁する同劇団の代表として、精力的に子供ミュージカルに取り組み、子供の情操教育に取り組んでおられます。講演の概要をまとめました。舌足らずの段、ご容赦下さい。


熱弁を振るう青砥洋さん(s36年卒・12期)

 同氏は父上が画材店を営んでおられたため、幼少のころから絵を描かされ、それなりの絵を描いていたと思う。両親から将来画家になることの期待が強すぎたせいか、絵を描くことに興味が薄れてきた、ちょうどその頃、ラジオから流れて来た松江放送局の児童劇団の団員募集の放送を耳にし、応募したところ、運よく合格、子役として多くのドラマに出演させてもらい、NHKがあった床机山に毎日のように通った。松江高校でも演劇部に所属し、将来は役者になると決めていた。

 松江放送局でお世話になったディレクターが東京に転勤になり、当時のNHKの人気ラヂオドラマ「1丁目1番地」を担当することになり、私も誘われてレギュラーとして出演したのをきっかけに芸能界に身を置くことになった。以来、1000本以上のラジオ・テレビドラマやナレーションの仕事をやって来た。しかし、舞台に立つ役者になる夢は捨てがたく、劇団「昴」に客員として所属し、福田恒存師の指導を受けながら舞台活動に励んだ。
 しかし、ここでの人間関係が基で5年で身を引き、帝国ホテルで土日に行われる結婚式の司会をやりながら食い繋いでいたが、やはり役者への思いは絶ちがたく、40歳後半になってオーディションを受け、劇団「四季」に入団、ミュージカルの舞台に立った。しかし、ここでも自分の理想と周囲の軋轢から2年で退団、自分の理想を果たすべく、平成5年、自分が住んでいる東京都稲城市で所属人数10名足らずの小さな地域児童劇団を結成、「大きな夢」劇団と名付けた。ミュージカルを通して、演技による「表現力」、「理解力」、「温感・歌唱力」「運動力」の要素が詰まっている情操教育であるという同氏の思いが広く受け入れられ、今では全国24ヶ所に拡がり、各地で年一度の公演を行っている。
  ココをクリックすると青砥洋さんの児童劇団のミュージカルへの思いが伺えます。

 懇親会は出席者最高齢の山口琢磨さん(s17年卒)の乾杯の音頭で開催されました。山口さんは現在でも船舶設計会社の社長を務めておられ、2010年には船舶技術のイノベーションに対して与えられるアメリカのスペリー賞を受賞され、そのメダルを披露されました。また、大岩篤郎さん(s42年卒)ご夫妻の歌の披露もあって、盛り上がりました。以下に盛会を極めた懇親会の模様を紹介します。

 
右が山口琢磨さん(s17年卒)、メダルを披露しているのは西村次郎さん(s30年卒)


大岩篤郎さん(s42)イタリア民謡独唱

大岩ご夫妻によるデュエット(荒城の月)



大岩篤郎さんのリードで校歌斉唱


ここをクリックするとグループ別に撮った記念写真をご覧になれます。

文責 (HP担当 福間三郎)